介護職員の虐待と現場の現状

時々、介護職員が利用者に対し暴力を振るった等で虐待のニュースが流れる時があります。
その理由が「言う事聞かなかったからうイライラした」「反抗的な態度にムカついた」等ですが、大体は相手の行動や言動に苛立ってつい手が出てしまったという事です。
しかし、こうやって表沙汰になるのは、手を出す暴力は痕が表面に出るから誰でも気づくからです。
叩いたり殴ったりすれば、当然痣が出来ますし酷い場合は骨折もしてしまいます。
一方で、殆ど表沙汰にならないのが言葉の暴力です。
言葉の暴力ももちろん虐待です。
しかし、言葉の暴力というのは心に傷を負っても目に見える傷が出来るわけではありません。
もし、1対1で介護をしていた場合、他に聞いてる人が居なければ、まず分からないと思います。
何故分からないのかというと、認知症を患っている場合、忘れてしまうからです。
また、「あの人に酷い事を言われた」と他の職員に訴えてもあまり本気で受け取ってもらえないのが実情です。

手を出す暴力にしても、言葉の暴力にしても最初からあの利用者はムカつくから酷い目に合わせてやろう、酷い事を言ってやろうと思って手を出す介護職員はいません。
よく、虐待が起こるのは認知症に対する知識不足だからだ、なんて言われていますが介護業界に入れば一番最初に認知症の勉強をします。
また、先輩職員からこの利用者は繰り返し同じ事を言う、すぐ怒る、等説明を受けてから現場に入りますから少なくとも、利用者がそのような言動、行動があったとしても身構えて対応が出来るはずです。

職員が虐待を行ってしまうのは、自身のメンタルが不調だからだと考えられます。
仕事が忙しい、寝不足、疲れ等でメンタルが不調だといつもは冷静に対応できるのに、ついカッとなってしまう事も誰しもあると思います。
そこで、一呼吸おいて自制が出来ればまだ若干メンタルに余裕があると言えます。
しかし、これが続くといつ手や言葉が出てもおかしくないので、早目に気分転換が必要となってきます。
もし、一緒に仕事をする同僚がいつもと違う態度でイライラしているような様子があれば虐待一歩手前のサインかもしれません。
そんな時は、一声かけて休憩を取ってもらい気分転換をしてもらいましょう。
普段から職員同士、声を掛け合うようにしなければなりません。
そのような雰囲気を作るのは上司、あるいは管理者の仕事と言えます。
特に管理者は職員のメンタルの管理はとても大切な事です。

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